プロジェクト詳細

古き良きマンションリノベ

renoveru
マンションリノベーション / 東京都

INFO

築年数:50年

面積:67.00m²

居住者:二人暮らし

費用:1065万円

新しいものより古い物を大切にされる奥様。古民家に住む事に憧れがあり家探しは戸建ての古民家を探されてました。ご主人様は通勤の利便性や立地を重視されており物件が決まらないまま一時家探しを断念、そんな中奥様のお母様のご提案で弊社とのご縁がありました。 利便性や立地を優先しマンションも視野に入れ家探しを再スタート。すると奥様をトリコにする物件が現れました。『景色を買いました』そう言われる奥様。田舎暮らしさながらの絶景が望める築47年の分譲マンション。また利便性や資産価値の安定性も物件購入の決め手に。さらにほどよく古びたお部屋には、各所に愛着のある柱、天井、障子と奥様好みの素材がちりばめられていました。現場調査で現地を見て、天井材や造作建具、各所の枠や柱と建設当時使われていた建材は、今の新築マンションより質が良いこともあり、また奥様の思いを考えるとこれらは活かすべきだと確信しました。

顧客の憧れである「古民家暮らし」をマンションリノベーションで実現した作品です。 古民家らしさを出すために、3つのポイントに重きを置きました。 ①日本に古くから伝わる柿渋の使用 ②古民家で見かける碍子引き配線の採用 ③築47年という歳月を経て味の出た既存部分再利用 古民家が古民家たる所以の年数を経た材料を、通常であれば廃材となってしまう柱や枠、天井を既存材料として再利用して意匠に採用。加工は風合を活かし最小限で納めることが必要でした。工事では大工さんもびっくり…経年変化でねじ曲がり、釘の刺さった木材。既存利用部分を生け捕りにするため傷をつけない様に、そして天井も落ちないように丁寧に解体。こんな大変なこともするんですか…?と言いつつも、大工の腕がなると楽しんでくれました。 柿渋等の伝統素材と組み合わせ、アップデートすることでリノベーションらしい新たな価値観・方向性を示しました。すべて引き算せず、不足分を埋め、その上に創るという優しい雰囲気の作品になりました。 古き良きマンションリノベーションの力は絶大です。古いものは汚い、ダサい、と悪とせず価値あるものに変え、廃棄物を減らし、先人が作り上げた歴史や文化と良いものを残すことも選べ、サスティナブルでより愛着も持てる選択肢です。そのことを改めて教えてくれる事例ではないでしょうか。