キッチンとワークスペース。2つのアイランド

親の自宅を相続され、転居することにしました。古い家であったため、スケルトンにして間取りを大幅に変更することに決めました。将来子供ができることも考慮し、自分たちが暮らしやすい住まいを目指しています。90%が在宅勤務のため、ワークスペースを充実させたいですが、壁に向かって仕事をするのは避けたいとのことでした。浴室は目立たない場所に移動し、洗濯物などの生活感が見えないようにしたいとも考えています。

充実したキッチンを希望されていたため、ご提案したのは作業スペースがたっぷりとれる2列型のキッチンです。吊戸棚は無くし、パントリーの代わりにトールタイプの造作収納を追加することで、短い動線の中にキッチンの機能を集約しました。フルオープンのキッチンは、LDK全体を見渡せるようにし、お子様がいる生活にも対応できる設計にしています。

洗面室の機能を分け、スムーズに使えるように廊下に洗面台を配置しました。埋込収納を追加して、小物の収納にも対応しています。顔に影ができにくい照明を内蔵した鏡で、トレンド感を演出しました。脱衣室はランドリールームと共存させ、キッチンから直接アクセスできる扉を設けることで、家事動線の効率化を図りました。

もう一つのご提案は「LDKへの対面ワークスペース」です。デスクと書棚を造作し、壁を設けずに書斎コーナーを作りました。デスクは可動できる家具タイプにし、書棚は耐久性を考慮してモールテックスを使用しました。キッチンと書斎がそれぞれ作業に集中しながらも、お互いの気配を感じられるため、孤立感がありません。また、お子様の見守りも助け合いながら行えます。

ご実家が営んでいる材木屋さんから良質な材木をご提供いただき、ダイニングテーブルやリビングテーブルを造作しました。これにより、空間に優しい温かさを加えています。運動不足への配慮として、ご希望のあった懸垂バーもオリジナルで造作し、補強した梁に設置しました。これにより、効率の良いワークアウトができ、気分転換にもなっています。