リゾートは、都市に作る。別荘新時代

住まいとは別に、仕事仲間や友人と集まったり、趣味に打ち込むための特別な場所が欲しいとのご希望がありました。ジムや飲食店の営業時間に縛られることなく、自分たちのペースで楽しむことができるスペースを求めて、中古マンションをご購入されました。そこで、友人たちと飲食を楽しんだり、遅くなった時には泊まれる部屋を作り、できるだけ間仕切りを少なくして自由に動き回れる空間をデザインしたいというご要望です。さらに、ゲームや筋トレ、サウナなどの設備を整え、男の夢が詰まった場所にしたいとのことでした。

新しい空き家活用の一例ともいえるこのプロジェクトでは、住まいとは異なる使い方を提案しました。希望する設備の配置と利用動線を丁寧に検討し、飲食を楽しむための広々としたキッチンとリビングダイニング（LD）を設け、間仕切りを設けずに大型モニターとソファを置いたリビングコーナーをデザインしました。また、リモートワークにも対応できるPCデスクを配置し、反対側の壁一面には書棚を設けて、好きな本で埋め尽くし、趣味に没頭できる場所を作りました。一角にはベッドスペースを設け、透けるパーテーションで目隠しをしつつ、間接照明やスピーカー付きダウンライトで常に音楽を楽しめるリラックスできる空間を創り出しました。

さらに、マシンを揃えたジムスペースや洗面、サウナ、浴室などの水回り設備、そしてクールダウンできる休憩室を廊下で繋ぎ、フリースペースも設けました。どうしても欲しかったサウナは、自ら輸入して施工手配を行い、洗面脱衣室から直接アクセスできるように配置しました。浴室、サウナ、休憩室は連続して使えるように工夫し、トイレには小便器を設け、個室にはネットカフェのようにPCを使えるカウンターを設置しました。これにより、利用者や目的に応じた設備を備えることができました。

癒しの形はそれぞれ異なるため、都心の空き家を自分なりの避暑地や癒しの別荘として再生しました。事務所とは別にリモートワークもできるようになったため、仕事のためにも活用され、現在では2日に1回はこの場所を訪れるとのことです。さらに、次のステップとしてフリースペースをカラオケルームにしたいという新たなご要望も受けています。