完全版|外壁のリフォーム・リノベーションのガイド〜種類・費用・事例まとめ〜

著者:HAGS編集部

外壁は住宅の印象を左右する「顔」であるだけでなく、外的要因から住宅を守る大切な役割があります。外壁のリフォーム・リノベーションでは、家の快適性がアップすることも。今回は「完全版」と題して、外壁のリフォーム・リノベーションに使われる素材やポイント、費用相場、業者選びなど詳しく解説していきます。これから自宅の外壁の改修を検討している方は必見です。

外壁リフォーム・リノベーションの前に外壁の種類とポイント

外壁リフォーム・リノベーションをするにあたって、まずは外壁の種類とそれぞれのポイントについて見ていきましょう。住宅の外壁として主に使われるのは「窯業系サイディング」「金属系サイディング」「ALCパネル」「モルタル外壁」の4種類です。

窯業系サイディング

日本の住宅で最も広く使われているのが窯業系サイディング。リーズナブルでバリエーションが豊かな点が魅力ですが、サイディングそのものには防水機能がない点は注意が必要です。コーキングやシーリングと呼ばれるボード間をつなぐゴムによって防水性を確保しているため、定期的なメンテナンスが欠かせません。

金属系サイディング

薄い金属板で構成される金属系サイディングは素材自体が軽く、耐久性や耐震性に優れているのが特徴。防音性や断熱性も高いのでコストパフォーマンスの高い外壁素材と言えるでしょう。塩害や酸性雨には弱いため、エリアによっては向かない場合もあります。

ALCパネル

ALCは日本語で「軽量気泡コンクリート」と言い、水に浮くほど軽いコンクリートの外壁材です。コンクリート素材なので耐震性や耐久性、断熱性に優れているほか、耐火性の高さは特筆すべき点と言えるでしょう。ただ、名前のとおり素材の中に気泡(穴)が開いており吸水性が高いため、塗装による防水対策は必須です。

モルタル外壁

水・砂・セメントを混合して作られるモルタルは、かつて外壁材として最もポピュラーでした。画一的に生産されるサイディングボードと異なり、職人が手で仕上げるモルタルは表情やデザインを付けやすい点が魅力。一方、職人の力量によって仕上がりに差が出てしまうことや、表面にひび割れが生じやすいことなどはデメリットと言えます。

【参考記事】
外壁の種類にはどんなものがある?メリットやデメリットも簡単解説
外壁リフォームのポイント

外壁リフォームの種類

外壁は家の印象を決める顔ですから、リフォーム・リノベーションはおしゃれに仕上げたいもの。どのような住まいを目指すかによって、適切な外壁リフォームを選ぶ必要があります。ここからは外壁リフォームの種類について解説していきましょう。

【参考記事】
おしゃれな外壁リフォーム!さあ、どれを選ぼうか?

比較的手軽な「塗り替え」による外壁リフォーム

外壁リフォームのうち、比較的リーズナブルに施工できるのが「塗り替え」です。モルタル仕上げをはじめとした塗装仕上げの外壁のメンテナンスは塗り替えが基本ですが、サイディングボード・ALCパネル・タイルといった外壁材も防水機能を持たせるために表面塗装が施されています。塗装が経年劣化すると外壁の防水機能が不十分になり、最悪の場合漏水の原因になることも。塗装の塗り替えを行うことにより外壁材そのものを交換することなく、手軽に防水性能をアップできるでしょう。

また、ボード・パネル・タイルの間を埋めるシーリング材も経年劣化によって断裂すると、そこから漏水してしまうリスクがあります。劣化度合いが少ない場合は、既存のシーリング材の上から新たなシーリング材を追加する「増し打ち」を行うのがおすすめ。劣化が進んでいる場合は、既存のシーリング材を取り除いて新たなシーリング材に交換する「打ち替え」により外壁の機能更新を図れます。

【参考記事】
後悔しないために覚えておきたい、家の外壁塗装のコツとは?
軽くて丈夫な優秀建材、ALC外壁はリフォーム・メンテンナンスでさらに長く使える!
リシン仕上げの外壁メンテナンス方法は?
外壁リフォームの正しいリフォーム・メンテナンスで、長く住み続ける

より本格的なリノベーションが必要なら「重ね張り」「張り替え」

塗装やシーリング材だけでなく、サイディングボード・ALCパネル・タイルといった外壁材自体に劣化が見られる場合は「重ね張り」や「張り替え」によるリノベーションを検討しましょう。

既存の外壁材の上から新たな外壁材を張る「重ね張り」は、カバー工法とも呼ばれる人気のリノベーション方法。既存の外壁材を剥がす必要がなく廃棄物もあまり発生しないことから、工期が短く費用も抑えられます。ただし、既存の外壁材の耐久性や強度に問題がある場合や重量のある外壁材を使用している場合には、「張り替え」でないと対応できないケースもあります。

【参考記事】
外壁リフォームの塗装と重ね張りで迷ったときの判断基準は?
サイディングリフォームのポイント

外壁リフォーム・リノベーションの費用相場

さまざまな種類がある外壁リフォーム・リノベーションですが、それぞれいくらくらいコストを見込めばいいのでしょうか。リフォームの種類ごとにおおまかな費用相場をまとめると次のとおりです。

外壁リフォームの種類費用相場
ひび割れの補修約1〜20万円/1か所※
シーリング(コーキング)工事約30〜50万円※
塗装の塗り替え約80〜150万円
重ね張り約150〜200万円
張り替え約200〜300万円
※施工箇所が高所の場合、別途足場代として約10〜20万円がかかる可能性あり

先ほど解説したとおり、塗り替え<重ね張り<張り替えの順にコストが高くなります。ここで紹介しているのは標準的な塗料や外壁材を使用した場合の想定であり、素材にこだわればさらに費用がかかる点は要注意です。外壁リフォーム・リノベーションの費用について詳しく確認したい方は、以下の参考記事もご覧ください。

【参考記事】
外壁リフォームの費用はどれくらい?工事種類別に相場を徹底解説します
外壁の塗り替え費用の相場とは、予算を組む際の注意すべきポイントも紹介
モルタルを使用した外壁のリフォームの相場とは、値段を分かりやす

外壁リフォーム・リノベーションのタイミング

水回りや床・壁など生活に直接影響する箇所と異なり、外壁はリフォーム・リノベーションをするタイミングがわかりづらいかもしれません。外壁はどのようなタイミングで改修すべきなのか、判断のポイントについて確認していきましょう。

築年数が経過するとよくあるのが、色あせや変色といった外壁塗装の変化。外壁を手で触ったとき指に白い粉状のものがつくことを「チョーキング現象」と呼び、外装塗り替えのサインと言われています。外壁の色あせやチョーキング現象が見られる場合は外壁の防水機能が低下している可能性がありますので、外壁リフォームを検討するといいでしょう。また、ひび割れやシーリング材の劣化が見られる場合も外壁リフォームのタイミングと考えられます。

そのほか、外壁材の耐用年数からリフォームのタイミングを確認するという方法もあります。日本の住宅で広く使われている窯業系サイディングの耐用年数は25〜30年程度、金属系サイディングの耐用年数は30年程度とされており、築25〜30年を超えたあたりから外壁リフォームの必要性が高まると言えるでしょう。

耐用年数はあくまでも一般論ですので、まずは自宅の外壁の状況をしっかりと確認してタイミングを図るのが大切です。

【参考記事】
外壁リフォームは、いつやるのが正解?きっかけは?
屋根や外壁の塗り替えは必要?どのタイミングでする?簡単解説
サイディング外壁の耐用年数・リフォームの目安

外壁リフォーム・リノベーションの業者選び・注意点

いざ外壁リフォーム・リノベーションを行う際、どのような業者に依頼するのがいいのでしょうか。また、リフォームするうえでの注意点にはどのようなものがあるのでしょうか。業者選びのポイントと、リフォーム検討の際に意識しておきたい注意点について紹介していきます。

外壁リフォーム業者選びにおけるポイント

外壁リフォームを依頼する業者を選ぶ際には、候補となる業者が次のようなポイントに当てはまるかどうかを一つの判断基準とするのがいいでしょう。

  • コミュニケーションが取りやすく、こちらの要望や目的を理解してくれる業者か
  • 見積もり作成にあたって、外壁の状態をしっかり診断してくれる業者か
  • 使用する壁材の種類やメーカー、数量などが見積もりにちゃんと記載されているか
  • 工事期間が10〜14日間程度見込まれているか(10日以内など短すぎないか)
  • アフターフォローが充実している業者か

こうした点を比較しながら検討するためにも、地元で評判のいい業者など複数の業者に見積もりを依頼するのがおすすめです。

【参考記事】
外壁のリフォームをするときの業者選び、注意点とは?

外壁リフォームでは建築確認申請が必要な場合もある

建物を建てるにあたっては、あらかじめ建築確認申請を行って確認済証の交付を受けることが義務付けられています。建築確認とは、その建物のプランが建築基準法を遵守しているものかどうかをチェックする制度のこと。建物新築の際には必ず必要となる建築確認申請ですが、実は大規模修繕をする場合にも必要となるケースがあるのです。

建物のうち「4号建築物」と呼ばれるカテゴリーに当てはまるものは、大規模修繕の際の建築確認申請は必要ありません。4号建築物の要件は次のとおりです。

  • 木造建築物で、2階建て以下かつ床面積が500m2以下、軒高9m以下、高さ13m以下で、特殊建築物の用途が200m2を超えないもの
  • 木造建築物以外で、平家建てかつ床面積が200m2以下のもの

裏を返せば、3階建て以上の木造住宅、2階建て以上の鉄骨造や鉄筋コンクリート造の住宅は4号建築物に該当せず、大規模修繕で建築確認申請が必要になる可能性があるのです。

大規模修繕とは、壁・床・梁・柱・屋根・階段などの主要構造部における過半の修繕や模様替えとされており、外壁の大掛かりなリフォームも内容によっては該当する可能性があります。詳しくはリフォーム業者に相談してみるといいでしょう。

【参考記事】
建築確認申請が必要な外壁リフォームとは?必要/不要なケースをそれぞれ紹介

外壁リフォーム・リノベーションに使える補助金・助成金は?

大規模な塗り替えや張り替えとなるとまとまった費用がかかる外壁リフォーム・リノベーションですが、工事内容によっては補助金や助成金のメニューが用意されているケースもあります。外壁リフォームで使える補助金・助成金としては、主に次のようなものが挙げられます。

  • 長期優良化リフォーム推進事業制度
  • 高反射率塗料等材料費助成
  • 住宅簡易改修工事費助成
  • 住宅改修補助金制度

自治体によっては独自の補助金や助成金の制度を設けている場合もありますので、外壁リフォームのコストを抑えたいと考えている方は、自宅のある自治体窓口に確認してみるのもおすすめです。各種制度の詳細や制度の探し方については、こちらの参考記事で詳しく紹介しています。

【参考記事】
外壁リフォーム・リノベーションに使える補助金・助成金は?

まとめ

今回は、外壁リフォーム・リノベーションについて参考にしたい情報を一挙に解説してきました。外壁は住まいの顔であるだけでなく、風雨や外的環境から住まいを守る大切な役割を果たしています。それだけに外壁の劣化を放置すると、漏水をはじめとした大きな問題に発展する危険性もあるのです。自宅の築年数が古くなってきた方、築古の中古物件をリノベーションしようと考えている方などは、今回紹介した内容を参考に外壁リフォーム・リノベーションを検討してみてはいかがでしょうか。