完全版|ライト・照明のリフォーム・リノベーションのガイド〜種類・費用・事例まとめ〜
著者:HAGS編集部
おうち時間が増えたことで、求められる住まいの照明にも変化が出てきてるようです。照明は、明るくてよく見えるように照らせればよいだけではありません。部屋をより居心地良く、快適にするために重要な役割を持つアイテムとして見直されてきています。
この記事では、「完全版|ライト・照明のリフォーム・リノベーションのガイド〜種類・費用・事例まとめ〜」と題して、リフォーム・リノベーションで快適な住まいを作るために役立つ、ライト・照明の知識を、豊富な事例写真とともにお届けします。
目次
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リビングのリノベーション・リフォーム事例に見るライト・照明
1.ダクトレール
ダクトレールとは、照明などを取り付けるために天井などに設置するレールで、電極で内側に電流が流れるようになっています。ペンダントライトやスポットライトを複数並べて設置することができ、また取り付け位置を移動できるので、自由度高く、照明のレイアウトを作れるのが特徴です。すっきりとフラットな天井埋め込みタイプや、DIYでも取り付け可能な簡易式タイプがあります。
光沢のあるレールそのものがインテリアのアクセントに。小ぶりのペンダントライトを並べる多灯照明もダクトレールなら簡単にできます。
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2.シーリングライト
シーリングライトとは、天井に取り付ける照明で、1灯で広い範囲を明るく照らすことができます。日本の住宅で長い間一般的に使われてきた照明で、賃貸住宅のリビングや寝室などでよく見かけるのではないでしょうか。シェードはシンプルな形状のものが多くあります。LED電球の普及に合わせて調光機能付きのものが増えてきています。
最近では、デザイン性の高いもの、多灯使いのもの、小型のものなど、バリエーションが広がっており、ダクトレールと組み合わせるなど、インテリア性の高い使い方も広がってきています。
お部屋のメインライトとして十分な明るさのあるシーリングライトはシンプルにまとめたいときの照明にぴったり。デザイン性の高いシェードならインテリアを格上げしてくれます。
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3.ペンダントライト
ペンダントライトは、天井からコードなどで吊るして使う照明です。光源が低い位置にくるので、光の範囲は限定的ですが、印象的な演出が魅力です。例えば、ダイニングテーブルに使えば料理をより美しく見せる効果があるとされています。
また、目線を集める高さにシェードがあるので、インテリアのアクセントとして楽しむ要素も大きい照明です。デザインが豊富で、シェードはもちろん、コードやコードカバー、電球まで、こだわって選ぶ楽しさがあります。ダクトレールを使った多灯使いも人気です。
ペンダントライトのおしゃれな使い方といえば、定番の多灯使い。あえて素材や色が違うものを並べたり、吊るす高さを変えたりして、変化を付けるとリズム感が出てきます。
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4.スポットライト
スポットライトは、天井や壁に固定して使い、限られた範囲をピンポイントで照らすことができる照明です。1灯でも使いますが、複数を組み合わせて使うこともあります。壁の絵画や観葉植物を浮かび上がらせたり、ソファに座ったときの手元を照らしたりと、位置や明るさを細かく調整できて便利に使える照明です。
スポットライトは照らす角度を調節して、お好みの表情を作ることができます。メリハリを付けたドラマチックな演出にも向いていますが、何もない壁に向けるて間接照明のように使えるので、柔らかい雰囲気を作りたいときにも重宝します。
スポットライトは、シェードのデザインも豊富で、お部屋のテイストに合わせて選ぶことができます。ナチュラルな木目調の家具と北欧テイストのアースカラーの組み合わせは相性抜群。
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5.ダウンライト
ダウンライトは、天井に埋め込んで設置するので、天井がフラットになり、空間がすっきり広く見えることが特徴です。光源の下の限られた範囲を中心に明るくする照明ですが、複数灯を配置すればベース照明として部屋全体の明るさをカバーすることもできます。集中配灯で明るさを確保する方法も人気があります。
ダウンライトには、広い範囲を均一に明るくする広角タイプや、明るく照らすことを優先した集光タイプ、角度調整が可能なユニバーサルタイプ、まぶしさを減らしたグレアレス、グレアカットタイプなどの種類があります。使い方に合わせて選びましょう。
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6.間接照明
間接照明とは、照明器具からの光を壁や天井などにあてて、拡散する光で明るさを得る照明のこと。補助的に使われる場合がほとんどですが、柔らかく広がる光は上品で趣のある空間を作り出してくれます。スポットライトやフロアライトを壁や床に当てるだけでも間接照明となります。天井やカーテンレールの上などに光源を隠す構造を組み込む「建築化照明」という手法なら、ホテルのようなより洗練された演出もできるでしょう。
リラックスしたい時間には、間接照明のほんのりとした優しい明かりがぴったり。明るさをおさえたムーディーな雰囲気は間接照明ならでは。
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キッチンのリノベーション・リフォーム事例に見るライト・照明
キッチンのライト・照明には、調理の手元を明るくして作業しやすくしたり、食材の色から状態を確認できるようにする役割があります。リノベーションで人気のオープンタイプのキッチンでは、キッチンのライト・照明もインテリアの一部として、デザイン性の高いものが求められる傾向があります。
キッチンのライト・照明によく使われるのは、ペンダントライト、ダウンライト、ブラケットライト、シーリングライトなどがあります。また、ダクトレールが使われることもあります。
1番人気のペンダントライト
金属の光沢と質感がスタイリッシュなペンダントライトは、現し天井やむき出し配管と合わせてインダストリアルなテイストを醸し出します。
複数使いで全体を柔らかく照らすダウンライト
天井をフラットに仕上げるダウンライトは、こだわりのキッチンパネルやオープン棚を引き立てる名わき役。
壁や天井からのダイレクト照明ブラケットライト
壁に当たって広がる暖かなオレンジ色の光が和やかさを食卓にプラスしてくれそう。シェードのデザインもいいアクセントになっています。
フレキシブルなダクトレール
細長い形状のキッチンではダクトレールが大活躍。欲しいところに明かりを配置することができます。
シンプルに明るく照らすシーリングライト
ミニサイズのシーリングライトを使って、シンプルで明るいキッチンに。ダウンライトが使えない天井でも、薄型のシーリングライトなら天井がすっきり仕上がります。
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玄関・土間のリノベーション・リフォーム事例に見るライト・照明
玄関・土間のライト・照明は、帰ってきた家族を迎える明かりであり、お客様をお迎えする明かりでもあります。ほっと落ち着く温かみがあって、足元も顔の高さも明るくできる照明が良いでしょう。
玄関・土間のライト・照明によく使われるのは、ブラケットライト、シーリングライト、ペンダントライト、ダウンライトなどです。ダクトレールや間接照明も効果的です。
ブラケットライト
広さがあまりない玄関の明かりは1灯でも十分。一つしか選べないなら、壁や天井に広がる光が印象的な雰囲気を作る、ブラケットライトはいかがでしょうか。
シーリングライト
スクエアで和風デザインのシーリングライトはアクセントの玄関。板張り天井や木枠の引き戸と合わさって、素敵な和モダンテイストに仕上がっています。
ペンダントライト
天井からコードで吊り下げるペンダントライトは、シェードの影が天井、壁に広がり、点灯すれば一味違った空間にすることができます。こちらのライトは網目状のシェードが幻想的な雰囲気を作り出しています。
ダクトレール
収納場所としても活躍する土間ですが、ダクトレールとスポットライトでオープン棚を照らせば探し物も見つけやすくなりそう。
ダウンライト
奥行きのある玄関から土間にかけての空間に、均等配置されたダウンライト。直線と平面を上手に使ったデザインに馴染んで邪魔をしません。
間接照明
日が暮れてから帰宅する家族にとって玄関照明はまぶしく感じることも。間接照明なら光源が目に入らないのでまぶしさを感じにくいというメリットがあります。
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洗面・サニタリーのリノベーション・リフォーム事例に見るライト・照明
洗面・サニタリーのライト・照明は、住まいの中でも清潔感を求められる照明でしょう。水回りでもあるので、汚れや水気に強いものを選びたいですね。広さは限られている場合が多いので、1灯でも十分な明るさにすることができるでしょう。
洗面・サニタリーでよく使われるライト・照明には、壁面から照らすブラケットライト、シンプルに仕上がるダウンライト、直線的なフォルムがおさまりのいいベースライト、などがあります。また、天井のダウンライトに洗面カウンターを照らすブラケットライトを組み合わせるパターンも定番といえるでしょう。
ブラケットライト
ガラスの覆いに金属の格子が独特のクールさを漂わせるマリンスタイルのライトは、1灯でも存在感があります。壁に広がるスリットの入った光の輪がおしゃれです。
ダウンライト
大きなミラーで広がりを感じさせる洗面カウンター。天井照明もダウンライトですっきりフラットに。
ダウンライト+ブラケットライト
二人同時に使用できるよう水栓と洗面ボウルが二つ並んだ洗面カウンターには、壁のブラケットライトも天井のダウンライトも二つずつ。
ベースライト
ミラーの上のベースライトは、1灯でカウンター全域をカバーできる照明です。顔周りを明るくしてくれるのでメイクにも重宝します。
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トイレのリノベーション・リフォーム事例に見るライト・照明
トイレのライト・照明は、清潔感がありながらリラックスできる明かりが人気です。照明の数は1灯でも十分であることがほとんどでしょう。プライベート感のある個室ですから、照明にもこだわって好みのテイストでくつろげる空間作りをしてみるのもいいですね。
定番のダウンライトや小型のシーリングライト、装飾性をプラスできるペンダントライトやブラケットライトがよく使われます。
ダウンライト
ホワイトでまとめた壁の上半分と天井に主張しないダウンライト。タイル調の床やアクセントクロスを引き立てます。
ペンダントライト
ペンダントライトの凹凸あるガラスシェードが、水面を映したような表情豊かな光と影を映し出します。
シーリングライト
清潔感あふれるホワイトとグレーでまとめたトイレ。天井はむき出し配管に小型シーリングライトでシンプル&クールに。
ブラケットライト
丸みのあるデザインが優し気なブラケットライト。温かみのある暖色系の床タイルとも相性抜群。
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スタイル別!リノベーション・リフォームのライト・照明
ライト・照明は、インテリアのスタイルづくりにも大きな役割を果たします。ペンダントライトやスポットライトのシェードや電球のデザインや材質、光の色や明るさなどを注意深く選ぶことで、お好みのインテリアスタイルづくりを大いに助けてくれるでしょう。
インダストリアル
飾り気が無く力強いカッコよさのあるインダストリアルスタイルでまとめるなら、素材にこだわってライト・照明を選びましょう。無骨さのあるダークカラーのアイアンや金属の質感を残したスチールなどを使ったライトなら、インダストリアルスタイルと相性ぴったりです。
電球そのものも、インダストリアルの雰囲気を盛り上げるアイテムです。ガラス管のデザインはシンプルで力強さのあるものなどが良いでしょう。フィラメントを模したLEDはオレンジ系の色味のものがおすすめ。ヴィンテージ感を演出してくれます。
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ブルックリンスタイル
ニューヨークの古い工業地帯ブルックリン地区の再開発で生まれたおしゃれなカフェや住宅がムーブメントになったブルックリンスタイル。インダストリアルスタイルとも通じる工業的な力強さやカッコよさに加え、アンティークな家具や雑貨を取り入れた、親しみやすさや懐かしさを感じさせるスタイルです。
ブルックリンスタイルでは、明るさと暗さを使い分けた奥行きのある照明作りがおすすめ。ペンダントライトやブラケットライト、スポットライトなどを組み合わせて陰影を意識した照明にすれば、ブリックタイルの壁の凹凸や味のある古材の棚板などのアイテムを魅力的に見せてくれるでしょう。
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北欧スタイル
ホワイトやアースカラーにビビッドなアクセントカラーの色使いやナチュラルな木材の家具が特徴的な北欧インテリアですが、ライト・照明も重要な役割を持っています。有名デザインナーのロングセラーも多くあり、心地よい光が広がるように計算された照明の数々は、消灯していてもインテリアとして魅力的なデザインが揃っています。
北欧のナチュラルなリラックス感を照明で取り入れるなら、明るさは控えめに、色味も夕方の太陽のようなオレンジを使ってみましょう。光源が直接目に入らない、グレアをおさえた柔らかさのあるデザインや麻など自然素材を使ったシェードなら、北欧テイストにぴったりです。
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カフェスタイル
リノベーションで人気のカフェスタイル。気持ちよく料理のできるキッチンスペース、彩鮮やかな料理を和やかに楽しめるダイニング、のんびりくつろぐリビング。素敵なインテリアに囲まれてリラックスして過ごせるお気に入りのカフェのようなインテリアを作るなら、照明はルックスにもこだわりたいところ。
あたたかい暖色系の電球を使えば食事をよりおいしそうに見せてくれます。小ぶりのペンダントライトを多灯使いするのもカフェのカウンターのようで雰囲気が出るでしょう。
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和モダン
伝統的な和風の要素を現代の住まいに合わせて取り入れる和モダンのスタイルでは、心安らぐ落ち着いた雰囲気の照明が似合います。和紙のシェードを通した柔らかい光や、フロアライトを使った間接照明などを取り入れてみましょう。
また、ライトの形状や光の拡がり方に直線的なアウトラインを意識すると、障子や畳など和のインテリアによくなじむ照明になるでしょう。麻や白木など和の自然素材を取り入れるのもいいですね。
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リノベーション・リフォームのライト・照明の種類
天井照明
住まいの照明でメインとなる天井照明について、特徴をまとめてみましょう。天井照明といえば、一昔前の日本の住宅では、部屋の中央に明るいシーリングライトが一つあるというイメージだったかもしれません。
現在のリノベーションでは、より多彩な天井照明が使われています。すっきりフラットなダウンライトの集中配灯、ダイニングテーブルやキッチンカウンターを演出するペンダントライト、アンビエント照明にもアクセント照明にも使えるスポットライト、折り上げ天井や建築化照明の高級感あふれる間接照明などなど。
引掛けシーリングを使った照明のDIYリノベーションも選択肢が増えています。簡易式のダクトレールや多灯配置できるシーリングライトは、天井照明の自由度と高めてくれます。
戸建て住宅では、よりダイナミックな天井照明の演出が見られます。吹き抜け空間や勾配天井、小屋組みを見せる現し天井など、意匠性の高い天井を引き立てる天井照明が工夫されています。
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電球・スイッチ
照明の光は電球が光源となって広がります。電球そのものにもこだわると、作りたい世界観により近づけるかもしれません。LEDが主流になりつつある電球ですが、あえて白熱灯や蛍光灯を使う場面を作ることもあります。
また、電球の光の色を使い分ける意識も浸透してきています。リラックスできるオレンジ色の電球色や、作業しやすい明るい白の昼白色など光の色が人に与える影響を意識したライティングが取り入れ
られてきています。
電球そのものを楽しむなら、裸電球+ソケット&コード、というシンプルな組み合わせがおすすめです。クラシカルなフィラメント状のLEDがレトロなガラス電球を通して柔らかい光を放っている様子は、なんともいえない雰囲気があります。
スイッチも照明設備の一部です。お部屋の中で小さい存在ですが、人の視野に入りやすい高さにあり、日に何度も注視することもあり、インテリア性やデザイン性の高いスイッチが注目されてきています。例えば、トグルスイッチのレトロでクールなフォルムは、インダストリアルスタイルやブルックリンスタイルの浸透に合わせて人気が出てきています。
また、スイッチには便利な機能を持つものが多くあります。暗闇の中でも見つけられるようにランプが光っているもの、手を触れずに点灯できるセンサー式、一つの照明を複数の場所から操作できるスイッチなどがあります。
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解説
リノベーションの照明では常識となりつつある多灯分散照明ですが、長く日本の住宅で親しまれてきた照明スタイルとは考え方が大きく違っています。
日本の住宅では、部屋の隅々まで効率よく明るく照らすことが求められる傾向があり、部屋の中央に明るい照明が一つ取り付けられている一室一灯のパターンが主流でした。一方で、多灯分散照明は、明るさや照らす範囲を限定した照明を、必要なところに必要なだけ配置するというスタイルです。一室多灯に慣れた日本人からしたら、初めはだいぶ暗く感じることもあるようです。
多灯分散照明の魅力は、目に入る情報量を調節して、リラックスできる空間を作れることでしょう。暗いところをあえて残すことで奥行き感や広がりを感じさせる効果もあります。一つの部屋にいくつもの種類の照明を使うことやスイッチと回路の関係が複雑になることなど、頭の中だけでイメージすることは難しいところがあるので、専門家に相談しながら計画を作っていくことをおすすめします。
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リノベーション・リフォームのライト・照明の費用
ライト・照明のリノベーション・リフォームの費用は工事内容で大きく変わってきます。例えば、配線の変更を伴うなら電気工事士の資格を持ったプロの施工が必要になります。また、ダウンライトのような埋め込みタイプの照明や引掛けシーリング、スイッチなどを設置または撤去する場合には、内装工事も必要になります。
例えばリビングのシーリングライトを撤去し、複数のダウンライトに変えるという内容の場合、一般的な広さのリビングで15~20万円程度が費用の目安となりそうです。
実際にはそれぞれの工事にさまざまな条件がありますから、専門工事を伴うライト・照明のリノベーション・リフォームを行う場合は、施工事例などを見ながら業者を選んで相見積もりを取り、説明を聞いてから判断すると確実です。
DIYでもお部屋の雰囲気をガラッと変えるライト・照明のリノベーション・リフォームが可能です。例えば、引掛けシーリングに取り付ける簡易ダクトレールなら電気工事は必要ありません。レール本体は、2mで2000円程度から購入することもできます。あとはお好みのペンダントライトやスポットライトを購入して設置するだけです。
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リノベーション・リフォームのライト・照明計画
ライト・照明のリノベーション・リフォームを単独で行うことはあまりないかもしれません。部屋全体、住まい全体のリノベーションの際に、照明も変えるというパターンが多いのではないでしょうか。
中古物件のフルリノベーションでは、物件や施工業者が決まった後に、本格的なリノベーションプランの作成に入ります。限られた期間で、間取りから内装などまで全てのプランを決めていくのでなかなかのハードスケジュールになりがちです。
具体的な照明計画は、リノベーションプラン作りの後半になって取り組む場合が多いようです。つまり、間取りやインテリアを固めてから、それに合わせて照明を考えることになるのです。しかし、照明は間取りや他の内装とも密接にかかわっているので、後から計画すると、照明だけ後付け感が出てしまったり、使いにくい配置になってしまったりすることも否定できません。
インテリアを引き立てる効果的な照明を作りたいならば、照明についてもプラン作りの早い段階から他の内装などと同時に考えていくほうがうまくいくとされています。インテリアのテイストが決まった段階で、使いたい照明、作りたい雰囲気などをイメージして、デザイナーなど専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
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オススメのライト・照明
ここで、リノベーションのプロが選んだオシャレ建材サイトHAGSで人気のライト・照明をご紹介します。
ボタニカルなハンギングライト
ハンギンググリーンとペンダントライトを組み合わせたこちらのライトは、フェイクグリーンをガラスシェードに入れて、裸電球でライトアップしています。ロープ状のコードもナチュラル感の演出にぴったり。雑貨を飾る感覚で楽しめる個性的なペンダントライトです。
スポットライトでフレキシブルな配灯
こだわりカラーのスポットライト4灯をウッディなバーと組み合わせたオシャレなシーリングライトです。それぞれのスポットライトの向きを調整できるだけでなく、内側の2灯のバーは方向を自由に変えられます。4灯並べて明るく集光するもよし、それぞれにインテリアや雑貨をフォーカスして奥行き感を出すもよし。しかも設置は、引掛けシーリングに取り付けるだけなのでDIYですぐできます
あたたかみのあるガラスシェードのペンダントライト
電球の光を柔らかく拡散する、コロンとかわいらしいガラスシェードのペンダントライトです。ソケットとの組み合わせも味わい深い落ち着きがあります。点灯していてもいなくても、どこか懐かしい雰囲気を演出してくれるアイテムです。
ライト・照明のDIY
ライト・照明は、少し変えるだけでお部屋の雰囲気を変えることができるアイテムでもあります。ちょっとしたDIYでもグッと雰囲気の良い空間になることも。本格的なリノベーション・リフォームに向けて、DIYでできる範囲で雰囲気を試してみるのもいいですね。
ライト・照明のDIYアイデアをいくつか紹介しましょう。
・電球の色を変える
オレンジ色が強い電球色を取り入れてリラックスムードに
・簡易式のダクトレールを取り付ける
ペンダントライトやスポットライトを並べてカフェ風インテリアにも
・スタンドライトやフロアライトで間接照明を取り入れる
・シェードやソケットをDIYでデコレーション/自作する
いかがですか。意外と手軽にできるので、気になったらトライしてみてください。
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ライト・照明を長く使うためのお手入れ方法
寿命の長いLEDが普及してきているとはいえ、ライト・照明を長く使っていくには多少のお手入れをしていくほうが良いです。シェードや電球についたホコリを定期的に取り除く程度でも構いません。どうしても溜まってしまうホコリで、ライト・照明は明るさが落ちてしまうからです。
また、天井高のある空間や階段ホールなどの照明を計画する際には、電球が切れた時などのメンテンナンス方法についても、事前に考えておきましょう。手が届く範囲に配置する、長寿命のライトを使って不具合があれば業者に取り替えてもらう、というような選択肢があるでしょう。
まとめ
ライト・照明のリフォーム・リノベーションについて、さまざまな角度から情報をまとめてきましたが、マイホームの照明作りの参考になったでしょうか。
明るさだけでなく、居心地の良い空間を演出する照明へと、住宅の照明トレンドが進化してきています。事例も多く紹介しましたので、まずは気になる事例を探してみてはいかがでしょうか。
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