現場はリノベーション歴のある中古マンション。こだわった造りの内装だったが、好みの仕様にするためリノベーションをすることにした。壁式構造のため、間取りの変更がほぼできないことが課題だ。リモートワークの二人にとってこの住まいは、仕事スペースと居住スペースがうまくゾーニングできるかが最も大切な要素である。元の内装は好みではないとはいえ、リノベーションにあたっては使えるものは使いたい。予算だけではなく、もちろんサステナブルな観点からである。一方で自分たちの好みは妥協せず変えたい。パーケットフローリングやモルタルの壁、ステンレスキッチンなどを取り入れ、自分たちの好きな空間とすることはこの先の仕事にも生き方にも身が入るからだ。
お互いに仕事がほぼリモートワークとなり過ごしづらくなったことをきっかけに、中古マンション購入に踏み切った二人の住まいである。テーマは①愛犬のび君と暮らしやすい住環境②リモートワークを快適に③サスティナブルリノベーションが主なミッションである。場所はドッグランや愛犬家が集まる駒沢公園に隣接、一階角部屋でちょっとした庭もありのび君が過ごすのにもってこいのマンションだ。壁式構造で間取りの大きな変更はできないため、快適なワークスペースをどのようにとるかが課題だ。そこで、情報交換や他愛のない話をしながら仕事をすることがむしろお互いにとって刺激的で楽しい仕事空間になることから、あえて横並びでできるだけ大きなデスクスペースとした。会議の時には、寝室のデスクにこもるスタイルが快適だ。時には気分転換に、のび君と一緒にリビングで思考を巡らせたり、休憩したり。仕事とプライベートが混ざり合いながら、家全体が効率よく快適に過ごすための空間だ。リノベーションにあたっては、お風呂、トイレなど極力使えるものは使う。棚板、扉などは自分たちでDIY塗装した。リビングの棚はドッグハウスとして形を変えた。水まわりの床は天然素材由来のマーモリウム、暮らしに少しでもサステナブルな気持ちを持って過ごしたい、そんな二人の住まいである。